2000.4.01
難しい宿題
1週間くらい前、今度挙式をする新婦さんから、お電話をいただいた。
1曲だけ、歌の伴奏のリクエストがあるという。
ここまでなら、たまにあるお話。
ただ、今回はこの先があったのね。
歌がちょっと、難しいみたいなの。
それで、その曲の楽譜と、もと歌のテープ、送ってくれるとのことだった。
しかも私に、伴奏を録音して、もう一度彼女のところに、送り直してほしいってことだったの。
今まで、こういうリクエスト、受けたことがなくて。
どうも、私のピアノをカラオケ代わりにして、歌う方が練習するみたいなのね。
楽譜があるのなら、大丈夫でしょ。なんとか。
新婦さんの雰囲気だと、私、知らない曲みたいだしね。
それで、郵便を待つこととなった。

2日後、届いた郵便は、楽譜のコピーと、丁寧に梱包されたカセットテープが一つ。
新婦さんのお人柄が、忍ばれるようなお手紙つきで。
いつも思うんだけどね。
ピアノのリクエストがあるお式って、ほんと、忙しいのよね。
レストランウエディングって、基本的に、新郎新婦が大変なことになってる。
プランも実行も、本人たちがすることになってるんだもの。
でも、一生に一度しかない披露宴。
自分のできる限り、悩んだり考えたりするのも、悪くないんじゃないかって。
あとからきっと、楽しい思い出になるもの。
それだけ、思い入れ強いものになるしね。

まず、いただいた楽譜、弾いてみる。先入観も何もなしで。
とにかく音を出してみる。
4分の4の曲なんだけど、ところどころ、4分の2になったり、8分の6になったり。
ちょっと雰囲気、つかみづらいかな…難しいのかも。
テープを聴いてみて、おお〜って思った。
思ったより、かなり早い。でもその分、ノリがいい。
映画「ベストフレンズウェディング」の中で、歌われた曲みたい。
「小さな願い」ってタイトルがついてた。 
楽譜と、調が違うけど、雰囲気はわかる。
テープ、2曲入ってたのね。2バージョン。
映画の挿入歌と、ディオンヌ・ワーウィックが歌ったバージョン。
映画の雰囲気で、歌ってほしいんだって。
そうね。ソロヴォーカルに、大勢のコーラスがついてる。
これ、披露宴で歌ったら、とっても盛り上がるでしょうね。

さてさて…。
録音が、ちょっと面倒だった。
映画バージョンだと、楽譜と違うところが、かなり出てきたのね。
歌詞もそう、リピートの仕方もそう。
それで私、歌用の楽譜、作ることにした。
そう、最近、活用してる、SingerSongWritterを使ってね。
MIDIキーボードで弾くだけで、楽譜が作れるんだもん。
もちろん、手直しもかなりするけどね。
途中、ソロパートとコーラスパートが、掛け合ったりするのね。
やっぱり、楽譜がないと、さらに伴奏をつけるのは心配。

何度か、曲を聴いてみて、歌っているうちに、娘、すっかり覚えたらしい。
鼻歌で、歌うようになった(*^_^*)
「これ、おもしろいねえ」 確かに、拍子が変わるしね。
メロディーラインを、ピアノで弾くっていうのも、伴奏しながらだと、ちょっと大変。
何度か、録音をしてみて、やっと大丈夫かな、っていうのが録れた。

本番まで、あと2週間くらい。
ちょっとばたばたしてるけど、もう少し、練習しなきゃ、って思う。
できるだけ、映画の挿入歌の雰囲気、出さなきゃね。

2000.4.22
♪続・難しい宿題♪
先日、とっても難しい宿題のこと、書いたと思う。
それで、今日がその、本番だったのだ。
大人数でのコーラスをやりたいっていうパーティーの。
最後のあがきとして(^^ゞ、今朝、うちで練習していった。
なんとか、大丈夫そう。
後は、リハーサルをして、本番を迎えるだけだもんね。

昨日、夕方まで、かなり強い雨が降っていて、心配したんだけど。
今朝、とってもすっきり、晴れたの。
たぶん、新郎新婦のお人柄じゃないかな。
開場30分前に、レストランに入ると、何人かのお友達が、到着していた。
お話によると、ご友人全員でのコーラスとのこと。
あらかじめ、新婦さんから、元のテープと歌詞カード、回されてたみたいで。
そこここで、「ちゃんとやってきた?」なんて、会話が飛ぶ。
ソロパートは女性。
一通り伴奏をつけて、練習し、そうしてるうちに、お友達が全員そろう。
男性半分くらいの、14〜5人コーラス。
迫力があって、ほんと、よかったなあ。
本番が、楽しみだわ。

今日の進行表、とっても細かくできていた。
こういうの、新郎新婦の、性格によるものなんだよね。
どんなに忙しくても、きっちり、タイムテーブルや担当者まで入った、進行表を作るタイプの方。
おまかせです、って、特にそういうのをしない方。
司会者と違って、私は曲のリクエスト以外は、お客様と打ち合わせをしない。
(演奏曲は、基本的に、私の好きなようにやらせてもらってるから)
だから、細かい進行表だと、当日、慌てることはないのね。
今日のお客様、両家のご親族とご友人が、半々くらい。
珍しく、会社関係の方は、来てなかったみたい。
同じレストランで、2次会も予定されてたから、そっちに出るのかもしれないね。
そうなると、客層、くっきり2分されることになる。
そういう場合、私、ご年輩の方に、照準を合わせる。
食事のBGMって、特に何がいいなんて、問題はないもの。
それなら、ご年輩の方が懐かしい曲を、演奏する方がいいよね。
そういうわけで、懐かしい映画音楽&ジャズの演奏を中心に行った。

パーティーもどんどん進行し、いよいよ、お歌の披露の時間となった。
実はあの後、また新婦さんからお電話をいただいて。
新婦のおばさまにも、歌ってもらうことになったそう。
曲、シャンソンの「ある愛の詩」だった。
これなら、レパートリーだし、特に練習はいらないね。
遠くから来られるそうで、ぶっつけ本番でということになった。
コーラスのリハーサルの後、ほんの短い時間だったけど、シャンソンのおばさまと打ち合わせができた。
テンポを少し揺らして、イメージを出したいとのこと。
相手の歌を聴きながら、それについていって伴奏をするの、慣れてる(*^_^*)
ホッとしたな…難しいリクエストじゃなくて。
おばさまのシャンソン、思い入れたっぷりの、いい歌だった。
お友達全員による、コーラスも、とってもよかった。
知らない人でも、「楽しそうな曲」って、聞いてもらったと思う。
ピアノの大役、果たした気分だった。

新郎も新婦も、とても落ちついていて、最後まで、満面の笑顔で、過ごしていた。
やらなきゃいけないこと、たくさんあったからだと思う。
仲間内での、潮干狩りやバーベキューといった遊びから、知り合って、今日に至ったそうだ。
二人、共通の趣味をもって、いつまでも仲良くいられるといいね。
今日のための、二人の苦労、お客様の笑顔。おほめの言葉。
そんな思い出、たぶん、一生残ると思う。
今日ちょっと、気合いが入りすぎてたのか、うちに帰ってから、指先が痛い(^^ゞ