2000.5.22
別れの夜
市民ミュージカルの練習後、帰宅して家事をすませ、出かける支度をする。
約束の時間は、8:30pm。
レストランFで、ずっと長い間お世話になっていた、大好きな上司、Yチーフの送別会だった。
チーフが大好きだった娘、一生けんめいお手紙を書いた。
一緒にお花やさんに行き、花束を作ってもらうことにした。
青、黄、ピンクと色とりどりな、とてもきれいな花束の出来上がり。
娘のお手紙と、私のメモを入れてもらった。

前に独立したコックさんのお店に、アルバイト、社員、職場の知り合いが集まった。
チーフの人徳だと思う。
ブライダルの司会のHさんが中心となり、今のレストランのスタッフが、みんなに声をかけたらしい。
何があってやめることになったのか、はっきりはわからないんだけど。
でも、チーフが決断したこと、チーフが決めたことなんだから、これからも、がんばってほしい。

私の結婚退職の時、みんなにお祝いしてもらったのを思い出した。
ちょうど、姉妹店にもやめる人がいて、便乗させてもらった形になったんだけどね。
5年勤めた職場だったから、思い入れも思い出もたくさんで。
この仲間と、もっと一緒にいたかったな、って思った。
あの送別会で私、号泣してしまった。
チーフに「泣くなよ」って言われて、それでも涙が止まらなかった。
ピアノを弾く心構え、教えてくれたのもチーフ。
お客さんへの心配りを教えてくれたのもチーフ。
娘が生まれた後、私のピアノを必要と言ってくれて、ブライダルのピアニストとして声をかけてくれたのもチーフ。
チーフから、ほんとに、いろんなことを教わった。
私の、もう1人の父、兄みたいな人だった。
もっともっと一緒に、仕事がしたかった。
もっとずっと、一緒に仕事ができると思っていた。

宴もたけなわ、一人一人、チーフに自分の思いを話すことになった。
途中から、私、涙が出て困った。
思えば、12年のつきあい。
奥様をのぞいては、この場の誰よりも長いつきあい。
一言で、何か言えるようなことじゃない。
私の番になり、泣いてる私にHさん、「大丈夫?」とふる。
立ち上がって、「ピアノのNonです」
そう言ったとたん、涙声で次の言葉が出なくなってしまった。
チーフには、私の気持ち、とてもわかってもらえてたと思う。
うまくまとめることができないまま、しどろもどろになりながら、なんだかたくさんしゃべっていた。
奥においてもらっていた花束、Hさんが渡してくれ、チーフに手渡した。
チーフ、今日は私に「泣くなよ」とは言わなかった。

時間も遅くなり、車で来ていた社員の友達が、何人か一緒に、近くの駅まで送ってくれることになった。
私、ワインを飲み過ぎて、ふらふらになりながら、なんだか陽気にしゃべっていた。
「私、単なる酔っぱらいです、ごめんね!」
ブライダルで一緒に仕事をしてる、アルバイトのHちゃんに、言った。
「気持ち、よくわかります」 彼女の目も、お酒と涙で、潤んでいた。
車に乗せてもらい、モノレールの駅を降りて自転車を漕いで帰った。

これからも、レストランFのブライダルは、あると思うんだけど。
チーフがいなくなったブライダル、きっと変わってしまうのに違いない。
いくら私たちが、チーフの残してくれたもの、守ろうとしても。
そこにチーフがいなくなったというだけで、もう同じようなブライダルになるとは思えない。
これまでにチーフに教わったことを、一生、大事に思っていきたい。
チーフとは、決して、これっきりじゃない、これからも関わっていけると信じてる。
だけど今。
ピアノ演奏でミスタッチした時、横を通りながら、「まちがうなよ」と笑うチーフの声が、聞かれなくなることが、たまらなく淋しい。
「おまえがまちがうと、つまずきそうになるだろ」 あの言葉が、今でも耳に残る。

2000.6.09
おはなしサークル・おひさま
今、小学校のPTAの学級委員をしている。
うちの学年、2クラスでね。
各クラス2人ずつ、計4人の学級委員がいるの。
3人は、初めての子供の入学で、右も左もわからない状態。(私を含めて)
1組のKさん、上にお兄ちゃんがいて、前に学級委員をしたことがあるベテランさんなのね。
Kさんから、先日、おもしろいお話をいただいた。
『教育ボランティア』って言葉、知ってる?』
PTAや地域の人たちが、できる範囲で、学校教育にも入っていき、お手伝いをすることみたい。
難しいことはできないけど、子供たちを、学校に任せきりにするのではなく、地域で育てて守っていけたら…っていう考え方は、とても賛成できる。
無理のない範囲なら、私も手伝いたいと思ったし。
Kさんの話では、「読み聞かせをできたらいいわね」という。

本を読んでもらうの、子供たち、大好きよね。
上手下手は関係ない、子供たちは、お母さんに本を読んでもらいたがる。
目で見る読書じゃなく、耳から入る読書っていうの、本に対する興味をそそる上でも、とっても有効だと思う。
それで本に親しみ、自分でもたくさん、読書したいと思う心を育てるの、大事なことだなって思った。
私、本を朗読するの、大好き。
市議会議員もしている4年の学級委員のSさんが、サークルを作れないかと、今、活動しようとしているらしい。
つい、Kさんに、「私もやってみたいから、もし、そういうボランティアを集めることがあったら教えて?」と言った。
次の日、Kさんから電話をもらい、Sさんたち4年の委員さんと、話し合いの場を設けることになったという。
今回、4年の委員2人と1年のKさんと私で、準備委員会みたいな感じで、とりあえず始めてみたいという話だった。
…え? そうなの?
気がついたら、私、うちの小学校の読み聞かせボランティアの、準備委員になっていた(^^ゞ

今日、その打ち合わせがSさん宅であった。
まず、大まかな形を決める。
サークル形式の方が、学年やクラスの枠を越え、自由に活動できるんじゃない?ってことになった。
代表は、4年のMさん。
後、Sさん、Kさん、私が運営委員。
サークルの名前、決めたいねってことで、いろんな案、出し合った。
植物の名前がいいかしら、ということで、「アジサイ・ツクシ」など。
ほんわかしたイメージでってことで、「陽だまり・そよ風」など。
サークルのロゴマークもあったらいいかな、ってことで、単純明快な名前がいいかも…っていう意見も出て。
私、「おひさまは?」って思いついた。
季節感もなく、あったかいイメージ、がんばるお母さんたち(もちろんお父さんも含めるよ)のイメージでもあるし。
(…ま、そのものズバリって感はあったけど・(*^_^*)
これ、採用されることになった。
正式名称、「おはなしサークル・おひさま」。
まず、興味がある人を各クラス(とりあえず4年と1年で)で募り、朝の15分くらい、子供たちにお話をして聞かせる。
最初の1回目は、私たちですることにし、メンバーが増えるといいね、なんて話し合った。
題材の選択や、練習も必要だろうし…。
とても楽しみだけど、うまく行くといいな。
それにしても、私、限られた時間を上手に、使うことができるだろうか…(^^ゞ