2000.3.18
さくら・さいた!
娘の卒園式の今日。レストランFでも、ブライダルがあった。
こういう日だけど、卒園式の後、お仕事がんばってくるね!
うん。おめでたいことは、重なっていいもんね。

1週間くらい前、今日のブライダルの列席者、新婦のお友達という方から、お電話があった。
新婦から、歌を頼まれたという。
ほんとなら、伴奏のリクエストは、楽譜を用意する都合もあるので、10日くらい前までにしてほしいとは、Yチーフにお願いしてある。
お忙しいとかご都合もあるだろうし、実際、断ったことはないんだけどね。
お友達は悩んだようで、逆に、どんな曲がいいかと聞かれた。
困った私、勝手に選曲できないからと、レパートリーを教えてもらうことにした。
話した結果、広瀬香美の「愛はバラード」にしようということになった。
何年か前のシングル曲で、盛り上がるし、いいと思った。
さっそく、楽譜を探しに行ったんだけど、ベスト版もないみたい。
注文したら時間がかかるし、載ってるって保証はない。
こんな時こそ、SSW(SingerSongWriter。私の作曲ソフト)の出番!!!
時間がなかったから、メロディーと簡単なコードだけ、CDを聴きながら、キーボードで弾き、楽譜を作った。
うん。役に立つね、やっぱり(*^_^*)

いよいよ、プリントアウトという夜、今度は新婦さんから電話をいただいた。
何でも、例のお友達に、とあるリクエスト曲を歌ってほしいのだという。
「え…今さら????」という言葉は、必死で飲み込んで、話を聞く。
タイトル聞くと私の知らない曲、もちろん、楽譜を持っていない。まして時間もない。
お断りしようかとも思ったが、楽譜を買ったとのことだったので、FAXで送ってもらうことにした。
そうだよね…楽譜あるなら、何とかしましょう。
ブライダル3日前の夜。AIKOという人の「桜の時」という楽譜が、FAXで送られてきた。
これは言い訳になっちゃんだけど、娘の卒園で忙しかった私、ざっと楽譜見ただけでちゃんと練習することができなかった。

さあ…今日が当日。
幼稚園の行事も無事にすみ、やっと落ちついてピアノで弾いてみる。
複雑な和音進行。音自体は難しくないんだけど、不思議な音楽になってる。
まったく知らない曲って、やっぱり大変だわ…。
2〜3回弾いてみて、後は伴奏合わせでやってみることにした。
音の流れはわかるけど、今ひとつ、曲の雰囲気、わからない。
開場30分前、すでに、歌うお友達、来ていた。
歌ってもらって伴奏してみる…なぁるほど。
たゆたうような、不思議なメロディーと和音が、こういう歌になるんだ。
やっと納得がいき、2回歌ってもらって、後は本番に臨むことにした。

今日は、お友達中心のパーティーらしい。
最初、指輪の交換だけやって、後はざっくばらんなパーティーにするみたい。
卓上花やブーケなど、新婦のお友達がすべて、花をコーディネートしていた。
後から聞くと、ウェディングケーキとデザートのケーキ、大小いくつかあったけど、すべて、新婦の妹さんの手作りだったそうだ。
手作りのプログラムも、とてもきれいにできていて、一人一人のお名前が入っていた。
お仕事が忙しく、昨夜も徹夜だったという新婦の、真摯な姿勢に、とても好感を抱いた。
そうよね、一生に一度の、晴れの舞台。
できるだけの心配りができる人って、すてきよね。

和やかなうちに、どんどんプログラムが進行していった。
久しぶりの夜のブライダル。
ピアノは、ジャズをメインにして、ところどころ映画音楽を入れながら、ムードあるパーティーになるよう心がけた。
途中、新婦のお色直しがあり、純白のウェディングドレスから、鮮やかなオレンジのイヴニングドレスへと変身した新婦。
ほんとに幸せそうで、きれいだったね。
キャンドルサービスも、華やかに盛り上がった。
突撃インタビュー形式のスピーチもすみ、いよいよ、歌の出番。
とてもかわいい声のお友達のOさん。
ピアノに合わせて、きれいに歌ってくれた。
盛大な拍手、よかったね。
今日はもう一つ、新婦からリクエストがあったの。
ピアノなんだけど、BGMじゃなく、1曲、ピアノソロという形で、弾いてほしいということだった。
ユーミンの「春よ、来い」。(確か、NHKの朝ドラで、使われたような…)
抑揚たっぷりに、心を込めて演奏させていただいた。
新郎新婦が、真剣な表情で、聞いていてくれるのが、目の端にうつる。
話し声がしていたのに、いつの間にか、しんと静かになって、ピアノの音が鳴り響いた。
ちょっと気合い、入れ過ぎちゃったかな…(^^ゞ
でも、せっかくのリクエスト、お客様にも喜んでいただいた…と思う。

謝辞が終わり、お客様のお見送りとなった。
いつもの昼間なら、全員で外で記念撮影するところなんだけどね。
もうとっくに、外は闇の中。
先に写真は撮っていたので、何となくゆったりと、お見送りをすることができた。
新婦がお客様にお配りする、おみやげの小さな包みが、バスケットに入っている。
よく見ると、何種類か違ったものがある。
紅茶、入浴剤、ジャム、それぞれ、小さなビニールに入り、リボンが結んである。
これ…手作りだよね、たぶん。
新婦かお友達かわからないけど、ほんとに気持ちのいいおみやげ。
楽しんで、用意したんだろうなって、ほんとに思える。
今日、新婦のリクエスト、聞いてあげられて、ほんとによかった。
手作りのパーティーに、私も参加することができて、よかった。
お客様を見送った後の新郎新婦。
晴れやかな笑顔が、とてもまぶしかった。
「桜の時」の歌、「春よ、来い」のピアノ。
まだちょっと、早いけど、お二人の中では、春爛漫の宵だったのね、今日。
春の光の中で、幸せいっぱいという感じの、新郎新婦。
すてきなお二人が、いつまでもお幸せでありますように…。

    
※ちなみにaikoを知らなかった私(^^ゞ その後aikoの歌が大好きになりました。

2000.3.25
いい助手に恵まれて
女性総合センターでの、リトミック講座。
私にとって、初めての経験だった。
申込みの中にお休みの人が出て、今日は7組14人のお母さんと子供が、私の生徒だった。
今日は、娘が私の助手。
「いつものリトミック講座より、がんばってね!」
母親としてっていうより、上司の気持ち、だったかもね。
娘、神妙な顔して、うなずいてた。

自転車で、女性センターまで行き、健康サロン(大きなフロア)に向かう途中。
娘、「きんちょうする…」と、何度も言っていた。
そんなこと、聞くの、初めてだった。
お母さんの仕事の助手って、気持ちが入るものなのかな…やっぱり。
「大丈夫、大丈夫」って、口で励ましながらも、私もかなり、緊張していた。

受付表を見ると、今日は小さい子が多いのね。
募集は2〜4歳だけど、2歳代の子が多いんじゃないかしら…。
入ってくるなり、広いフローリングのスペース、縦横に走り回る。
保育室の先生が、1人お手伝いについてくれて、定時を5分過ぎて始まった。
今回、この企画を用意してくれた、Kさんも、一緒に参加してくれてる。

歌を歌ったり、体を動かしたり。
とにかく、動き回る方が、退屈しないだろうと思い、立てたプログラム、まちがってはなかったみたい。
まだ幼稚園にも行かない子供、なかなか、先生のいうこと、聞いてくれない(^^ゞ
お母さんたちも、わりと走り回らせるままに、してるのかな…いつも。
お母さんと手をつないでやってほしいのに、まったく無視して走り回る子供。
一人が走ると、つられちゃうのね、みんな。
予定では、1時間半程度、ってことだったんだけどね。今日。
休憩をはさんで、1時間10分くらいで、私、めげてしまった。

私、ずいぶん単発の仕事に、慣れてきたんだな…。
走り回る子供たちを見ながら、ふとそう思った。
最初の頃だったら、たぶん、表情に出てたね、いらだちとか焦りとか。
仕方ない、走るの止められないし、って、そう思える余裕は、できてきた。
どんな事態になっても、大きな声と笑顔だけは、キープできてたと思う。
要所要所では、みんな、参加してくれたしね。
全体的には、そんなにつまらないとか、難しい内容じゃ、なかったとは思う。
最初と最後は、とっても楽しそうだったしね、みんな。

終わってからのお母さんたちの反応も、そんなに悪くはなかった。
子供たち、何度も「さようなら」って、駆け寄ってきては、手を振ってくれた。
一人のお母さんは、Toy Boxのレッスンに、興味を持ってくれたみたい。
自転車で、20分以上かかるところだけど、一度行ってみたいって言ってくれた。
一人のお母さんの話し声、ちらっと聞こえた。
「…やっと調子が出てきた頃に、終わっちゃうのよねえ」
たぶん、お子さんのこと、言ってたんだと思うんだけど、ちょっと胸が痛かった。
でも私、今日はあれ以上、続けられなかった。
円になって、お母さんたちだけが動いていて、その回りを子供たち、走り回ってる状態で、それ以上続ける自信、ちょっとなかった。

みんなが帰った後、Kさんにやっぱり、謝った。
時間より早く終わって、すみませんでしたって。
Kさん、子供の年齢が、低かったかな、って言ってた。
楽しかったし、私の声がよく通ってたって、逆に、励ましてもらった。
保育室の先生(娘が幼稚園に入る前、とっても面倒を見ていただいた先生)も、楽しかったと言ってくれた。
娘のことも、立派に助手を務めたって、ほめていただいた。
とりあえず、無事に終わって、よかった。

女性センターを出て自転車まで歩きながら、私、娘にこぼした。
「ママさあ、疲れちゃったよ…」
娘、まじめな顔をして手を握り返した。
「大丈夫。気にすることないよ」
「失敗しちゃったね〜 なんか、子供たち、走り回ってた」
「あれはあのこたちがイジワルだったんだよ」
娘、私をできる限り、フォローしようとしてくれてる。
イジワルって言葉、適当だとは思えなかったけど、その気持ちが嬉しかった。
「ふう…ママ、なんだか疲れちゃったなあ」
娘に甘えたくなった私。
舗道の真ん中で、娘の前にしゃがみ込み、娘のおなかに頭をくっつけた。
娘、私の髪の毛をなでてくれながら、きっぱりと言った。
「しょぼんとしてるママ、きらいだよ。げんきなママがすきよ」
なんか、嬉しかったな…(*^_^*)
いつの間にか、とっても成長してる娘に、気持ちが楽になった帰り道だった。