言葉がこぼれる 言葉が流れる
私の中で 命をもって歌い出す
そういうつぶやきを集めてみました
お陽さまにあたって
 虹色に輝くといいな…






『スミレ、矢車草、ライラック、あじさい…

花の名前で呼ばれる色って、すてきね』

誰かがいった言葉

その言葉のような君がいたムラサキ色が大好きだった君がいた

僕の心のアルバムの中に

『わたし、生まれる前はスミレだったの』

得意そうにいう君は 花びら

僕も、って言えずに 黙ってうなずく僕

『わたし、いくつになっても小さな女の子よ』

瞳を輝かせていう君は 光

時に魔法をかけたいと思う僕

それはみな 陽の光あふれる春の午後

僕がムラサキの次に好きだった レモン色の午後

あれから十五年たち

君がすてきなお嫁さんになって淡いレモン色の光の中で

 白いヴェールに包まれたのも春

僕のアルバムの 最後のページに残されたのは

あの春の日の一枚のスナップと

ょっぴり色褪せた スミレのひとかけら


中学生の時、好きだった月刊誌がありました。
ご存じの方もいるかもしれない、『詩とメルヘン』という雑誌です。
その中に、イラストレーターさんの絵に詩をつけよう!という企画があって。
大好きだった牧村恵子さんの絵に、私はこの詩を応募しました。
同じようにファンだった妹と、1つずつ詩を書いて。
結果は敢えなく2人とも没。

でも、それで終わりじゃなかったんです。
応募の封筒に、牧村さんのイラストの絵はがきを同封してたのね。
『牧村さんのファンです』って付箋をつけて。
そしたら、裏が白かった絵はがきが戻ってきたんです。
牧村さんのお手紙とサインを載せて。

その日から、そのはがきは、私と妹の宝物になりました。